元市役所職員の起業1年目の過ごし方

起業全般

こんにちは、元市役所職員で起業したハチクマといいます。元公務員の起業体験談を書いています。

今回は起業1年目の過ごし方です。

残念ながら、「こう過ごしたら有意義ですよ!」って話はではなく、「こんな過ごし方しちゃいました・・・(てへぺろ)・・・」といった感じの話です。

どちらかと言えば反面教師的に見てください。

ハチクマ
ハチクマ

1年目の話っす。ピカピカの1年生

ざっくり要約

ざっくり要約
  • 開業届を出す。2部作成して控えにも受付印を押してもらわないといけなかったらしい
  • 事務所開設!浮かれてたくさんものを買う。そんなに必要なかったものも、、、
  • 借入の手続きをする。
  • WEBサイトをつくる。最初からワードプレスで作ればよかった
  • 売ることを考えずに商品開発に夢中になる。まず売ることが先でした。
  • 飛び込み営業で初めて物が売れる。そして浮かれる。
  • クラウドファンディングをする。身内に助けてもらう。
  • 起業一年目にすべきはベース収益づくりでした。できなかったけど。
  • 初年は赤字で終わる

開業届を出す。そして控えを忘れる。青色申告承認申請書も出す

起業1年目の最初にしたのは開業届と青色申告承認申請書を出すことでした。

開業届の用紙は「国税庁 開業届」で検索するとPDFで手に入ります。

青色申告承認申請書も同時もインターネットで入手可能です。

acrobat reader DCを使うと直接入力ができるので便利です。

開業届の書き方は業種等によって変わるようなので、「開業届 記入例」でさがして書きました。

青色申告承認申請書も書類自体は難しくないので、説明を読みながら書いて提出しました。

「簡単、簡単」と思って提出したのですが、提出時に窓口の方に「控えはよかったですか?」と聞かれました。

私は提出前にコピーを取ってあったので「大丈夫です!」と答えたのですが、失敗でした。

恥ずかしい話ですが、開業届の控えは受付印が押してあるものでないといけないことをこの時は知りませんでした。

数か月後に開業届の写しを金融機関に提出して、その際に不備を指摘されるまで気が付きませんでした。

ハチクマ
ハチクマ

開業届の控えは受付印があるものでないとダメ

提出前のコピーでは開業届の控えと見なされない・・・

正しい方法は、税務署に開業届を提出する際に2部作成して、両方に受付印を押してもらい、一部を提出し一部を控えとして持ち帰るとのことです。

ちなみに、このとき控えを取り忘れると結構面倒くさいことになります。

開業届の控えは、後日すぐにはもらえません。

手続きとしては「保有個人情報開示請求書」で「写しの交付」を求めます。

書類自体は難しくありませんが、請求から写しの交付までは結構時間がかかります。

2~3週間はかかったような記憶があります。

特に開業当初は開業届の写しの提出を求められることが多いので、いろいろな手続きがストップしてしまいました。

私の場合、しょっぱなからちょっとやらかした感じの開業届提出でした。

開業届の注意事項
  • 開業届は2部作成。両方に受付印をもらい、一部を控えとして持ち帰る。
  • 受付印の無い控えは、控えと見なされない。
  • 開業届の控えは様々な場面で提出を求められる
  • 万が一、提出時に控えをもらい忘れたら、後日「保有個人情報開示請求書」を税務署に提出して、控えとなる書類を手に入れることができる(手数料と2~3週間の時間がかかるので注意!)。

事務所開設!

私は自宅とは別の場所に事務所を構えることにしました。

そのため、起業1年目は事務所の備品などの必要なものを買いそろえていきました。

起業支援施設の一室でしたのでとても小さい事務所でしたが、まさに自分の城なので超ウキウキです。

ハチクマ
ハチクマ

めっちゃテンションあがりまくり

事業用のPCやプリンターを買ったり、棚を買ったり、ホワイトボードを買ってみたり・・・。

PCは事務所用のデスクトップと出先で使う2in1のノートブックと2台買ったりしました。

テンション上がりすぎると、余計なものまで買ってしまいますね。

いま考えるとPCはノートの1台で良かったですし、ホワイトボードはいりませんでした。

その他、細々としてますが必要のないものをたくさん買った気がします。

3年目に事務所を移転したのですが、その際にもウキウキして、事務所開設時と同じように無駄なものをたくさん買った気がします。

ウキウキ要注意な性格なようです・・・。

今思うと起業初年度は財布のひもは緩みがちでした。

市役所のようなある程度大きな会社組織にいると、節約しているとはいえ事務用品などは当たり前にあると思いがちです。

そんな感覚で事務所を構えたので、無駄遣いもあったかもしれません。

初年度は開業資金が銀行口座にあり、十分な金額が十分にあるように思えてしまいます。

創業ウキウキと口座残額の錯覚でついつい錯覚してしまうので、私のように無駄遣いをしないようにご注意ください。

借入の手続きをする

事務所環境を整えながら、創業融資の借り入れの手続きを進めました。

創業時の借り入れは金融機関のサポートもありスムーズに進みました。

金融機関の借り入れについては、「市役所職員が起業したときの借入金とメインバンク選び」をご覧ください。

WEBサイトをつくる。

起業1年目にはWEBサイトを作りました。

WEB作成についてはあまり深い知識がありませんでした。

サイトの作り方に関しては、公的機関が開く講座やWEBで勉強して自分で作成しました。

最初からWEB業者に作成を依頼しても良かったのですが、まずは無料で簡単にWEBを作成できるJIMDO(ジンドゥー)を使って作成しました。

JIMDOの詳しい内容はこちらで。

JIMDOは様々なデザインもあり、作り方も簡単なので、小規模なWEBなら簡単にすぐにできます。

ハチクマ
ハチクマ

JIMDOは本当に簡単にWEBがつくれる

細かなこだわりがないならJIMDOでも十分

問い合わせフォームや物販ページも簡単で1週間もあれば一通りのページをそろえることができました。

私の場合はとりあえず名刺代わりに簡易なWEBページを作りましたが、最初からある程度お金をかけても良い分野かもしれません。業種によってWEBページは実際の店舗と同等以上に重要だと思います。

ちなみに私は4年目あたりまでJIMDOでしたが、その後Wordpressのページに移行・リニューアルしました。

WEBをJIMDOからWordpressに変更する際には、それまで地道に積み上げたSEOがいったんほぼゼロになります。

検索順位も大きく下がるので、WEBを通じた仕事の問い合わせや注文は大幅に減りました。

WEBのリニューアルはとてもリスクが大きいことを身をもって体験しました。

JIMDOもどんどん良くなってきていますし、SEO(検索上位にくる対策)を最優先に考えればひょっとしたらそのままJIMDOで良かったのかもしれません。

ただ、JIMDOでは細かな点で、こちらの希望することができないこともあります。

その点で、Wordpressは拡張性が高く、様々なことが柔軟にできるのが魅力的です。

起業1年目のWEB構築は、自分でWordpressを勉強して作成した方が良かったかもしれないと思っています。

仮に自分でできなかった場合、外注でもWordpressで簡易なWEBを構築しておけば良かったと思っています。

WEB構築の注意事項
  • 開業当初はJIMDOがおすすめ。
  • ただし、将来的に拡張を考えるなら最初からWordpressで構築しておいた方が無難
  • WEBのリニューアルはSEO的に大きなマイナス

売ることを考えずに商品開発に夢中になる。

事務所づくりや借入手続き、WEB構築をしながら、最初に商品開発を進めました。

販売するものがなければ商売にならないと思ったからです。

なお私の仕事は、商品を企画して製作・販売する事業です。

ちなみに市役所職員でしたので、何のノウハウもありませんでした。

売るものがないので売れるような素晴らしい商品を考えて、商品ができたらそれを売ろう、営業活動をしよう!と考えていました。

今考えると全く逆な考え方だったと反省していますが、、、。

それでも商品を考えて製作するのはとても楽しいです。

まさに「あんなこといいな、できたらいいな」の世界です。

1年目はそんな楽しさにとらわれて、商品開発ばかりしていました。

商品が1つ形になれば、ラインナップとして複数商品を作成するなどして、楽しい時間を過ごしていました。

当然のことながら、作っているだけでは売り上げは上がりません。

最初は売上がないのは当然と言えばそれまでですが、今となれば商品開発ばかりしてないで先に販路を確保した方が良かったなと思っています。

起業前に済ませておくべき準備」でも書きましたが、最優先にすべきは販路の獲得だったと思っています。

当時なら、売るものが決まっていないのに販路なんてありえないだろうと思っていました。

しかし、本当にするのは購入してくれる人を探し、その人が作ってほしいものを提供するのが順序だったと思っています。

たとえば個人客に商品を販売している店に、販売したい新商品を確認し、それを製作するので定期的な納入の約束をするとか、企業向けに定期的に必要となる商品を探すなどすればよかったのかもしれません。

とはいえ、去年まで市役所職員をしていた人が、いきなり企業回りをして契約を取ってくるのも厳しい話かもしれません。

現実的には、市役所時代の知り合いや付き合いのある人から販売先を紹介してもらって、営業していくのが正しいやり方かもしれません。

飛び込み営業で初めて物が売れる。そして浮かれる。

商品開発に力を入れていた1年目ですが、さすがに何の売上もない状態に少し焦りもありました。

そんな時に起業後に知り合った方から、商品を売ってきてくれないかという依頼を受けました。

ちなみに、商品はちょっとした贈答品に使うような雑貨でした。

ろくに営業もしたことがありませんでしたが、何とかなるだろうと知人の会社を訪ねてみました。

起業間もないことを知っていたこともあり、その方はあっさりとその商品をまとめて買ってくれました。

たしかに物自体も良いものだったので、売れやすかったのかもしれませんが、今考えれると私を支援してくれたんだと思います。

助けてもらったことを感じつつ、初めて売上が立ったことに少し興奮を覚えました。

そして、「結構いけるんじゃね!?」と高校生のようにバカに浮かれていました。

ハチクマ
ハチクマ

浮かれすぎ

そして単純すぎ

まあ典型的なおバカな展開ですが、そんなに簡単にものは売れないと気づかされるのにさほど時間はかかりませんでした。

その後、いろいろな方のツテを通じて、その商品を販売に取り組みましたが、なかなか商品は売れませんでした。

クラウドファンディングをする。身内に助けてもらう。

そんな感じで販売を依頼された商品の営業をしているうちに、開発に取り組んできたものの商品化が見えてきました。

商品開発に夢中で、商品が形になりそうな段階でも販路は決まっていませんでした。

今考えると、「どうすんのそれ?」て感じです・・・。

そんな時、クラウドファンディングを知りました。

当時はクラウドファンディングが段々と認知されだしている頃でした。

それに、その時点では紹介された商品の販売も今一つで、売り上げは少なく、出ていくお金は多い状況でした。

そこでクラウドファンディングのことを調べ、商品の開発費をクラウドファンディングで獲得しようと思いました。

詳しい経緯は長くなりますので、改めて別の機会に書きますが、結果的には私の初めてのクラウドファンディングは成功し、無事に開発費を得ることに成功しました。

ハチクマ
ハチクマ

クラウドファンディングの話はまた今度

ただ、実際のところクラウドファンディングで支援してくださったかたの半数以上は私の知り合いでした。

なんだかんだ言って、起業一年目は私の周りの方に助けられっぱなしの1年になりました。

起業一年目にすべきはベース収益づくり

今振り返ってみると、本来、起業1年目ですべきはベース収益づくりだったように思います。

私はまったくそれができず、クラウドファンディングを含め、どちらかと言えば単発の収益ばかり得ていました。

私は商品開発の楽しさにかまけて、定期的に売上が上がる収益構造をつくれませんでした。

作る努力をしていなかったという感じです。

これは2年目以降も尾を引く話になります。

起業から時間が経過すると、周りの人はいつまでも特別に扱ってくれません。

単発の仕事をいつまでもくれたり、商品をいつでも買ってくれるとは限りません。

長期的に事業を進めていくにはとベース収益の重要性が増してきます。

そんなことわかりきっていることですが、それでも最優先に販路形成とベース収益確保に取り組んでいたかと聞かれると、答えは全然ダメダメでした。

実際、そんなダメダメなことをした結果、2~4年目までは厳しい状況になってしまいます。

逆に言えば、そんな厳しい状況に追い込まれたからこそ、何をしなければならないかが少しずつわかるようになったのかもしれません。

結局、私の起業一年目は見事に赤字で終わることになりました。

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