こんにちは。市役所職員をやめて起業したハチクマといいます。
このページでは私が市役所職員をやめて起業した経験を書いていきます。
今回は、「市役所をやめるときに注意した4つのこと」についてです。
市役所以外の会社を退職するときにも共通する部分もあると思います。
それでは早速まとめです。
ざっくり要約
- やめる、やめると騒がないように意識した
- 「市役所の仕事が嫌だからやめる」と言わないようにした。「市役所の仕事はやりがいがあるが、挑戦するためにやめる」と思い込んだ。
- 「どうせやめる奴だから・・・」、無責任だと思われないようにした。立つ鳥跡を濁さず。
- 秘密主義は不信感をいだかれると考えた。オープンにしたら隠さないことにした。
- すべては円満退職のために
今回の話は、退職にあたり私が気を付けたことです。
私自身はどちらかというと、人からどのように見られるかを気にする人間です。
人からどう見られてもへっちゃらという強心臓の持ち主の方や、強い精神力をお持ちの方にはちょっとピンとこない話かもしれません。
そのような方はこの記事はスキップしてください。
1.「騒ぐ奴 辞めない」
市役所の仕事にかぎらず「こんな仕事やってられるかっ」「近いうちにやめてやるんだ」といったことを周りの人たちに大きな声で言う人がいます。
その気持ちはすごくわかりますし、私自身そういったことを言いたくなる人間です。
退職して起業することを決心するまでの数年間は、モヤモヤした気分のときもありましたし、仕事で嫌なことがあると「もうやめてやるんだ」と言いたくなっていました。
そんなとき、たまたま手にした「男のたしなみ」という本に「騒ぐ奴 辞めない。」というイラストを見つけました。
タイツくんというキャラが、働く男性の本質をシュールに突いてくる本があり、私はすっかりファンになってしまいました。
その中にあったのが前述の「騒ぐ奴 辞めない。」です。
それを見たときに、何か納得というか反省というか不思議な気持ちになって、すっと腹に落ちていくものがありました。
辞める、辞めると言っているうちは、そう言うことでストレスを発散しているだけで、一歩も進んでいないんだと思いました。
だからそれ以降、本当に退職を決めて実行に移すまでは「辞める」とか「辞めたい」とか言わないでおこうと心に決めました。
そうすることで、「何が嫌なのか」、「どうしていきたいのか」を冷静に考えられるようになった気がしますし、起業に向けて前に進み始めた気がします。
ちなみにその本には「たばこをやめられない奴 会社もやめられない。」というイラストもありました。
とりあえず、私はたばこをやめました(笑)
2.「市役所の仕事が嫌だからやめる」と言わないようにする。
退職と起業の意思が固まりつつあった時期に、私が心がけたのは「嫌だから辞めるのではない」と思い込むことでした。
これは、退職して起業した後も思い込むようにしていたことです。
具体的には「市役所の仕事が嫌だから退職するのではない、市役所の仕事は楽しいし、やりがいはある。だけど新しい事業に挑戦したいからやめるんだ」と思い込むようにしていました。
なぜこのようなことを思い込むようにしたかというと、「嫌だから辞める」と考えるのが怖かったからです。
私には少し飽き性なところがあり、嫌だという理由でやめると、起業しても新しい事業で嫌なことがあればまたやめてしまい・・・と、投げ出すようなことを繰り返してしまうような気がしたからです。
それに「嫌だから辞める」と思うと、「辞められて清々する」という考えになってしまいそうなのが嫌でした。
そうすることで仕事に投げやりな姿勢で取り組んでしまい、結果、周りからも「どうせやめる奴だから」となってしまうのも避けたかったからです。
3.無責任だと思われないように。立つ鳥跡を濁さず。
後述しますが、退職に際しては円満退職を最も大切なことだと思っていました。
私は円満退職を「負の人間関係を作って退職しない」ということだと思っています。
惜しまれながら退職するといった状況までいかなくとも、少なくとも「あいつのせいで・・・」とか「いなくなって清々する」と言われないように心がけました。
退職に際しては、去る人間である自分は新しい人生に向けて希望を膨らませていますが、残る側の方々からすれば、現実的に仕事にどう対処していくか考えなければならない状況です。
加えて自分は浮かれていると思われやすい状況ですし、軋轢を生みやすい状況だなと思っていました。
有給休暇を消化すれば、私の業務のしわ寄せも行きますし、来年度以降の仕事や長期的な仕事の担当は外れることになります。
そんな状況だったので、やれる仕事はしておいたり来年度までに済ませるべきことはしっかりとしておくことで、周囲の負担が少しでも軽減できるように努力しました。
少なくともほったからしで無責任だと思われないように気を付けました。
また、少し長い時間でみても良好な人間関係を作っておいてよかったと思います。
普通に働いていれば衝突も起こりますし、組織の中ですべての人と良好な関係を築くことはできないと思います。
それでも私の場合は、周りの人たちに恵まれたこともあり、多少我慢もありましたが起業までの数年間は良好な人間関係を形成できていました。
ただし、過去にこじれた人間関係まで修復しておこうとは思いませんでした。
それができれば本当に良いのかもしれませんが、反りの合わない人はいますし、その修復に時間をかけていられるほど時間的にも精神的にも余裕はありませんでした。
四面楚歌のような状況でなく、組織全体としてある程度良好な人間関係で退職できれば良いと思っていましたし、実際にそれで十分でした。
また、少なくとも退職意思を伝えた後こそ、周りの人間に迷惑をかけないように心がけました。
退職と起業は大きな不安を伴います。
ただでさえ精神的な負担がある中で、負の人間関係を引きずって新しい環境をスタートさせたくないと思っていましたし、結果、それは正解だったと思います。
4.秘密主義は不信感をいだかれると考えた。オープンにしたら隠さないことにした。
私は10月ごろに直属の上司を皮切りに退職意思を伝えていきました。
人事には直接伝えるため上司に1週間ほど口外せずにおいてもらいましたが、人事や親しい人に伝えた後は聞かれれば退職することを話していました。
過去に、先輩職員が退職・転職する際に人事と上司には退職意思を伝えたうえで、口外しないようにお願いしていたことがありました。
それでもいろいろなルートから周りの職員には退職することがバレていったのですが、その方は頑なに退職することを秘密にしていました。
その職員が良くなかったと思うのは、辞めることを秘密にするどころか、来年も自分がいるかのような振る舞いや言動をしていたことです。
最後は周りの職員は、その職員がやめることを知っていました。
それなのに妙な秘密主義を貫かれると、さすがに不快だったと思います。
また、「○○さん退職されるんですか?」と聞かれた際も「さぁ、なんのこと、どうだろうね」ととぼけて見せたらしく、大ひんしゅくを買っていました。
その方は年度末の辞令発表後に退職することを職場の人たちに伝えました。
なぜそこまで秘密にしたのか不明ですが、ひょっとしたら皆を驚かせたかったのかもしれません。
しかし、辞令発表のころには職場の人たちは全員知っており、白けたムードが漂ったと聞いています。
そんな話も聞いていましたし、実際そうすることのメリットは全くないので、私は人に秘密にすることなく聞かれれば話すようにしていました。
また良く知っている人には顔を合わせたときに直接、退職することを伝えました。
自分は聞かされてないとか、直接聞いていないことを気にしそうな人には機会をみて話をしました。 結果的に、自分発信の情報も含め自然と情報が伝達してよかったと思っています。
すべては円満退職のために
有能で精神力があり、他人にどう思われても自分を貫ける人は円満退社でなくてもよいかもしれません。
しかし、そんな人でも円満退職したほうがメリットは大きいはずです。
ましてや普通の人間である自分は、円満退職でないといけないと思いました。
喧嘩をして啖呵を切ってやめたり、やめるからと言って不誠実な対応や捨て台詞を吐いて退職するのは絶対にしてはいけないと思っていました。
ひどい態度やいいかげんなことをすることで、起業後の仕事に利益を生み出すことは何もないはずですし、むしろ余計な因縁を生み出して思わぬところで損失を被ることがあるかもしれません。
私は円満退職することで、起業後も市役所のみなさんに何かと気にかけてもらいました。
業種的にも何か大きな仕事を発注してもらうといったことはないのですが、時々個人的に商品を買ってくれる方もいます。
金額や利益といったことは置いておいて、そうやって私の事業に関心をもって、応援してくれることがとてもうれしく、励みになります。
小規模な個人事業は孤独を感じる面もあるので、そのような暖かい気持ちに触れるのはとてもありがたいことです。
市役所に限らず、サラリーマンの転職・起業には円満退職が最善だと思います。
私自身、円満に市役所を退職できたことで、良いスタートを切れたと思っています。
- やめる、やめると騒がないようにした
- 立つ鳥跡を濁さずで、とにかく円満退職をめざした
- 円満退職は精神面で◎ 気持ちよく新しいスタートを切れた
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